2000年09月27日

2000/09/28付 公明新聞掲載より
国会は9月27日午前、参院本会議を開き、森喜朗首相の所信表明演説に対する各党代表質問を続行した。
公明党からは白浜一良参院幹事長が立ち、参院比例代表選挙への非拘束(ひこうそく)名簿式導入について「有権者の意思がより直接に反映され、顔の見える選挙となる。死に票が生まれず、民意をより正確に反映する」との利点を指摘、「来年夏の参院選で実施すべきだ」と主張した。一方、補正予算を含む新経済対策の策定については、真に国民のために必要な事業や中期的な観点から経済効果の高い事業に重点配分するよう求め、森首相も同様の考えを示した。また白浜氏は、政治家などが口利(き)きの見返りに報酬を得ることを禁止する「あっせん利得処罰罪」の制定、永住外国人への地方選挙権付与(ふよ)法案の速やかな成立を強く求めた。
●『報道被害/懲罰的損害賠償の検討を』
●伊豆諸島・有珠(うす)山の噴火災害や東海豪雨水害に関連して、白浜氏は「被災者の生活再建に対する国の支援体制が不十分」と指摘し、
(1)被災者生活再建支援法の三宅島への早急かつ弾力的な適用
(2)同法改正を含む新たな支援策の確立――などを求めた。
首相は、生活再建支援法改正について「問題点などがあれば、議論したい」と答弁。
扇千景国土庁長官は、三宅島噴火被災者への支援法適用に努力する意向を示した。
●元民主党衆院議員の秘書給与詐欺(さぎ)事件に関連して白浜氏は、共産党の衆参国会議員の公設秘書全員が党職員との給与の差額に当たる計約3億8,000万円を党中央委員会に寄付していたこと(1999年分の政治資金収支報告書に記載)を取り上げ、「事実上、献金を秘書採用の条件とするもので問題だ」と指摘。
これに対し、中川秀直官房長官は「公設秘書の給与を第三者が口座管理することや、献金を採用の条件にすることはあってはならない」と述べ、国会において議員秘書制度の在り方を十分に議論するよう求めた。
さらに、白浜氏は「政治倫理の確立に向けて、あっせん利得処罰罪の制定は喫緊(きっきん)の課題」と強調した。
●また白浜氏は、参院比例選挙への非拘束名簿式導入について
(1)現行拘束式での順位決定の不透明さが解消される
(2)有権者が候補者を選択でき、有権者の意思が直接反映される
(3)候補者の顔の見える選挙になり、国民の関心が高まる
(4)「死に票」が生まれず、比例代表の長所である民意をより正確に反映する
――などの非拘束式の長所を指摘し、「来年の参院選から実施すべきだ」と主張した。
その上で、参院本会議で選挙制度特別委員会設置が決まったにもかかわらず、社民、共産、自由の野党三党が委員名簿提出を拒否していることについて「議会制民主主義を否定する以外の何ものでもない」と厳しく批判した。
●永住外国人への地方選挙権付与法案については、95年2月に「憲法上禁止されていない」との最高裁判決が示されていると強調し、「今世紀中の決着を図るため、速やかに成立させるべきだ」と訴えた。
●一方、補正予算の編成を含む新たな経済対策の策定について、白浜氏は「少子高齢社会、IT(情報技術)社会などを視野に入れた構造改革を進めていくという明確な視点を持つべき」と強調。従来型の社会資本整備中心でなく、将来に対して真に国民のために必要な事業や中期的な観点から経済効果の高い事業に特化して、重点配分するよう主張し、首相も同様の考えを示した。
●また、白浜氏が最近の原油価格の高騰への対応を聞いたのに対し、首相は「供給支障などで備蓄放出が生じれば、国際的な議論も踏まえ、わが国としても速やかに対応していきたい」と述べた。
●青少年の健全育成について白浜氏は、わが国の教育を「子どもの幸福のための教育」との視点から変えていく必要性を強調し、「教育に関する恒常的な審議の場として、政治から独立した機関を創設し、教育の新しいグランドデザインを考えてもらう新たな仕組みの導入も考えるべき」と提案した。
●報道による人権侵害について白浜氏は、名誉棄損に対して懲罰的な損害賠償を検討するよう主張した。
●介護保険の見直しについては、短期入所サービスの利用が激減している問題に関して厚生省が今年7月、2002年1月から短期入所サービスと訪問通所サービスの支給限度額を一本化する改善案を示したことに触れ、2002年の実施を前倒しするよう求めた。