2008年03月14日

公明新聞:2008年3月14日
白浜党活性化対策本部長に聞く
中小企業金融が拡充
公明の主張 幅広く反映
中小企業経営を取り巻く状況が厳しさを増す中、特に資金需要が高まる年度末を控え、このほど政府はセーフティネット(安全網)保証の拡充などを含む支援策を発表しました。支援策のポイントや公明党の取り組みなどについて、党中小企業活性化対策本部長の白浜一良副代表に聞きました。
セーフティネット保証 指定期間延長、対象も増加
――2月20日に政府は年度末に向けての中小企業支援策をまとめましたが。
白浜本部長 依然として中小企業をめぐる経営環境が厳しい中、資金需要が高まる年度末の資金繰り対策として打ち出されたものです。
資金需要に対する対策としては、セーフティネット保証の指定期間の延長です。慣例で期間延長の判断は従来、3月中旬に行ってきましたが、少しでも早く延長を決めることで中小企業の皆さんに安心していただくためこの時期に6月末までの延長を決めました。さらにセーフティネット保証の対象が現在の53業種から30業種追加され、83業種に拡大されました。
第三者による保証や担保提供を必要としない国民生活金融公庫の融資制度の限度額拡充も決まりました。現行の2000万円が4800万円まで拡大され、年度末の資金需要に対する手だてが大きく前進しました。
燃料高に苦しんでおられる運送業についてもコスト変化分を運賃に反映する燃料サーチャージ制度についてのガイドライン(指針)を策定し、関連団体に強く要請することになっています。
このほか、中小企業など借り手からの相談窓口の開設や、支払遅延や買いたたきなどに対する立ち入り検査の積極的な実施、下請け「駆け込み寺」窓口の早期開設などが講じられることになりました。
――今回の支援策には公明党の主張が広く反映されていますね。
白浜 まず、年度末の資金需要期に向けて中小企業の資金繰りへの支援です。具体的にはセーフティネット融資・保証などの期限延長、対象業種や借り入れ枠拡大などを求めました。
各事業ごとに担当する役所の窓口が異なるので、利用する立場からすれば非常に分かりづらく、そこで、そこに行けば何でも相談できるワンストップ(1カ所に統合した)サービスの体制強化も訴えました。
また原油高の下で、価格転嫁ができずに困っているトラック業界など運送業の問題も含めて対応を要請しました。
――中小企業の現状は厳しいようです。
白浜 一昨年(2006年)から悪化基調が続いています。特に、原油・原材料価格の上昇分を製品価格に転嫁できず、実際の利益幅の減少が過去10年間で最悪です。今後さらに悪化し続ける恐れも指摘されています。業種でみると、住宅着工の減少の影響を受けている建設業や小売業の景況感が悪くなっています。多くの中小企業の皆さんから寄せられている切実な訴えに何としても応えていかなければなりません。
――公明党は昨年(2007年)後半から2度にわたり政府に緊急要望を行っています。
白浜 そうです。1回目は昨年(2007年)11月14日。党の中小企業活性化対策本部が原油高騰対策と下請け適正化を柱として福田首相あてに申し入れました。これを受け、政府は11月27日、政府系金融機関からの借入金の返済条件緩和を決めたほか、大企業、業界団体に対し下請け企業との取引の適正化を求める通達を出しました。
しかし、年が変わってからも、米国発のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)の焦げ付き問題に加え、景気動向の見通しは依然不透明です。そこで、年度末をどのように乗り越えるかが中小企業にとっては大きな課題になっていることから2月に緊急申し入れを行いました。
――建築基準法の改正に伴う住宅着工減で経営悪化が懸念される建築業への対策は。
白浜 政府は、建築基準法改正に伴う建築着工数減少への対策としてこのほど、構造計算のプログラムを正式に認定しました。これが利用されるようになれば、建築確認審査の期間は半分程度になります。支援策では、入札に当たり工事成績や中小建設業者の地域貢献の実績評価を重視した特別簡易型総合評価方式を導入することで、地方公共団体が工事の受注機会を拡大することになっています。
――公明党の「中小企業応援ブック」(非売品)が好評ですが。
白浜 本来、中小企業への支援政策は商工会や商工会議所に行けば説明してもらえますが、中小企業事業者からみれば、接する機会が少ないのが現状です。そこで多様な中小企業支援事業を分かりやすく説明し、制度を活用してもらおうと、党として「応援ブック」を作製しました。「最新の支援策がとても分かりやすくまとめられている」と、中小企業の皆さんからは大変喜ばれています。
――今後の取り組みは。
白浜 現場第一主義が公明党の基本姿勢です。つくった制度がどのように活用されているか、何が足りないのかについて、常に現場で検証し施策に反映させていく必要があります。
そのために、全議員が中小企業を訪問して、現場の声を基に必要な対策を迅速かつタイムリーに講じていきたい。さらに円高などに伴う中小企業の状況によっては、新たに第3弾の支援策を打ち出すことも考えたいと思います。
中小企業対策のポイント
●公的信用保証制度の対象業種の指定期間を3月31日から3カ月間延長し、対象に30業種を追加
●国民生活金融公庫の第三者保証人不要融資制度の融資限度額を2000万円から4800万円に引き上げ
●政府系金融機関などに資金需要への十分な配慮と資金繰り円滑化の対応を要請
●中小企業からの電話相談に応じる「年度末金融円滑化ホットライン」を開設
●支払い遅延や買いたたきに対する下請代金法の厳格な運用
●物流業者を対象にした特別調査を実施し、荷主による独占禁止法違反に対する監視を強化
●建築確認手続きの円滑化