2001年10月10日
153-参-本会議-3号 平成13年10月03日
平成十三年十月三日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第三号
平成十三年十月三日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
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○本日の会議に付した案件
一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴
追委員及び同予備員辞任の件
一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員等各種委員
の選挙
一、日程第一
一、新議員の紹介
一、永年在職議員表彰の件
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○議長(井上裕君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第三日)
昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。白浜一良君。
〔白浜一良君登壇、拍手〕
○白浜一良君 私は、公明党を代表し、さきの小泉総理の所信表明演説に対し質問をいたします。
まず初めに、アメリカで起きた同時多発テロの犠牲になられた方々に心からお悔やみを申し上げます。また、日本人二十三名を含む五千人を超える皆様がいまだ行方不明になっておられます。被害に遭われた御家族や関係者の皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
今回のテロによって、世界じゅうを駆け回っていた人と物の流れは瞬時にとまり、かわりに世界同時不況の波が押し寄せてきました。高度に発展した現代社会が一面では非常にもろい面もあることを私たちは次々に伝えられるニュースや映像で知りました。また、アメリカの発表では、死者、行方不明者となられた方々の国籍は実に八十の国と地域に広がっており、国際テロリズムがまさしく文明社会の憎むべき破壊者であることを如実に物語るものであります。数多くの無辜のとうとい命を最も醜い形で奪った卑劣きわまる暴挙に対し、私は激しい怒りを抑えることはできません。
テロリズム根絶への闘いは、今始まったばかりであります。我が国と我が国国民に対してもまた、長い忍耐と、その闘いを継続する強い決意を持つことが要請されております。そうした闘いの究極にあるものは、言うまでもなく世界に広がる貧困と差別の解消であります。特に、我が国を含む先進諸国の献身的な努力が必要であることは言うまでもありません。その上でまず、目前にある国際テロリズムをどう封じ込めるかという問題に取り組まなければなりません。我が国が果たすべき責務を自覚し、世界各国と一致結束し、断固たる決意で立ち向かっていかなければなりません。
今回のテロ事件で、私たちには一体何が問われているのでしょうか。
第一は、新たな戦争が顔をのぞかせたことであります。
二十世紀において、これほど大規模な攻撃を計画し、作戦を遂行するのは国家でした。しかし、二十一世紀の戦争は少数の過激派や一部の集団が遂行してしまうのです。今や、平和をつくり上げるには、国家レベルの軍縮や安全保障対話だけでなく、暴力によってその主張を実現しようとする勢力を発見し無力化する国際的な協力体制が不可欠であります。
NATOによるコソボ爆撃が提起した問題は、他国で虐殺や暴力などの事実が明らかになっているとき、内政不干渉を理由にそれを放置することが許されるかどうかということでありました。
今回のテロ事件に先立って、国連は、一九九九年十月には、実効支配地域でのテロ訓練の禁止、米国などへのビン・ラディンの即時引き渡し等の決議を行いました。そして、二〇〇〇年十二月には、さらに制裁を強化する決議を行っております。タリバンの公然たるテロや暴力への支援を放置せず、さまざまな制裁を行ってまいりました。しかし、タリバンはこれに挑むかのように暴力と破壊をエスカレートさせてきました。
国際テロ組織との闘いは、周辺国家の協力や国連の強化など、これまでにない新たな知恵が求められます。テロは犯罪であり、犯罪を見逃さず闘うのは政治に課せられた責任であることは言うまでもございません。
二十一世紀の新たな戦争とも言うべきこうした行為に、総理はこれまでにないどのような新たな戦略を必要とお考えでしょうか。
第二は、我々が想像もできなかった、世界に広がる憎しみの増大であります。
私たちが大きな衝撃を受け、悲しみに暮れていたとき、世界の一部には留飲を下げ拍手を送る人々もいたのです。この事実をどうとらえるのか。
国連のアナン事務総長は、昨年、ミレニアム・サミットに向けた報告の中で、全世界を住民千人の村に例えると、豊かな人々は百五十人、貧困に苦しむ人は七百八十人、一人当たり年間平均所得は六千ドルだが、半分近くは一日二ドル未満で生活をしている、パソコンを持っている人は六十人未満云々と指摘いたしました。
一方、総理もさきのジェノバ・サミットで経験されたように、反グローバリズムのあらしが吹き荒れています。豊かさをどう分かち合い、世界の持続的な発展を可能にするのか。この作業に全力で取り組まなければ、憎しみは暴走し、新たな暴力やテロを生み出すことになりかねません。我が国は、世界が抱える貧困問題に率先して取り組むべきであると考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。
今回のテロで浮上した第三の問題は、我が国の対テロへの姿勢であります。
テロに立ち向かう米国に対して、英国やオーストラリアは軍事行動への参加を表明しています。支持を表明したものの軍事行動には慎重な国もあります。国内にイスラム原理主義を抱えた国では当然でありましょう。
各種世論調査では、圧倒的多数の国民がテロ対策のための新規立法を支持しています。ただ、アジア諸国には急速な日本の立場に戸惑いを見せる国があるかもしれません。我が国が主体的に判断すべきであることは当然ですが、東南アジア諸国にも適切に説明し、国際的な理解も得ていく努力をするべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。
現在、国連総会でも、各国首脳が参集し、今回のテロ事件への対応、そして国際的なテロ包囲網を構築するための真剣な討議が行われております。この国連中心の取り組みは全面的に支持するものであります。
私は、包囲網へ向けての中長期的課題として、テログループへの資産凍結、テロ関連条約の批准の推進、入国管理体制の強化、武器輸出の禁止、ハイジャック防止対策、テロ組織の実態解明への協力、そして国際刑事裁判所の創設等々の諸施策が推進されることを切に期待いたします。
まずは、テロ根絶に対する国際的な包囲網の構築へ向けての我が国の基本方針についてお伺いをいたします。
問題は、当面の対策としてどのような取り組みが選択されるかであります。
事件の首謀者及び組織、それを支援する者に対しては毅然たる態度で臨むのは当然ですが、拙速な軍事的行動によって何の罪もない人が犠牲になり、報復の連鎖を招くような対応は回避すべきであります。米国も当然慎重な対応、行動を模索しているとは思いますが、総理は、どのような状況であれば軍事的対応もやむを得ないと判断するのか、その基準についてのお考えをいただきたいと思います。
現在、政府、与党間でテロ対策特別措置法案について最終調整がされているところであります。基本的考え方を確認しておきたいと思います。
今回の立法の主な目的は、テロ撲滅に向けて我が国が主体的に実施する国際協力と難民支援であります。特に、難民支援や医療等の人道的支援については、我が党の強い主張により盛り込まれました。事実、国際機関からもブッシュ大統領からも我が国が期待されている分野であります。
しかし、難民支援といっても、自衛隊を中心に派遣するわけですから、三点の明確な歯どめが必要だと思います。一つは、活動地域は戦闘地域と一線を画した地域に限定する。二つは、与党三党で二年ということが決められたようでございますが、期間を定めた時限立法とする。三つ目は、武器使用については、難民等を含む生命、身体の防御のためにやむを得ない場合のみに限定する。以上の最低限のルールを定めた上で初めて自衛隊の派遣が可能になると思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
次に、経済問題についてお尋ねします。
米国を襲った同時多発テロにより、世界同時株安など、世界的な景気後退が懸念されています。我が国としても、金融、経済両面における国際協調体制の確立など、世界の経済の安定に向け、政府、日銀が一体となって努力をしていく必要があります。
一方、日本国内においても、米国の同時多発テロの影響もあり、日経平均株価が一万円前後で、いまだに先行きの見えない状況にあります。四―六月期に続いて七―九月期のGDPについても見通しが厳しい中、補正予算を初めとした経済対策を早急に講ずる必要があると考えます。
私は、補正予算の編成に当たっては、国債発行三十兆円枠の原則は大事ではありますが、必ずしもこだわる必要がないのではないかと考えます。実際、現場の中小企業の状況は相当深刻であります。大胆かつ柔軟な発想で対応すべきだと考えます。
現在の世界及び我が国の経済状況に対する認識とその対応策について、総理のお考えをお伺いします。
不良債権の処理など、構造改革を推進していく中で避けられない問題が雇用問題であります。完全失業率が五%を超える中、雇用に対する国民の不安はますます深刻になってきています。
公明党は、二年間で百万人の雇用創出を訴えてきました。その具体的内容については、与党の緊急雇用対策や、我が党の強い主張で設置された産業構造改革・雇用対策本部が発表した総合雇用対策などにも盛り込まれているところであり、公明党としても、その実現に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。
新産業分野における雇用創出や緊急地域雇用特別交付金制度の見直し、拡充など、地域における雇用創出、失業者の再就職支援、生活支援など、政府は万全な雇用のセーフティーネットを整備すべきであります。
同時に、日本の産業を支える柱である中小企業の支援として、売掛債権担保融資制度の創設、金融安定化特別保証制度の効果的運用など、必要な措置を講ずるべきであります。
その他、セーフティーネット構築の観点から、奨学金制度、法律扶助制度の拡充なども緊急を要する課題であります。
以上、補正予算においては、特に雇用対策、中小企業対策等、セーフティーネットを万全かつきめ細かに整備すべきであると考えますが、総理の所見をお伺いいたします。
経済、財政の構造改革について、政府は改革工程表を公表しましたが、何より重要なことは、構造改革のための施策を策定した日程どおりあくまで実行することであります。
また、平成十四年度予算編成に当たっても強力に構造改革を進める必要があります。そのために、少子高齢化対応、循環型社会の実現など、重点七分野への投資により重点化を図る、また、公共事業についてもむだを除き、効率化を促進する観点から、PFIを積極的に推進するなどが重要であると考えます。
平成十四年度予算編成も含めて、今後の経済・財政構造改革の推進についての総理の決意をお聞かせいただきたいと思います。
次に、狂牛病についてお尋ねします。
九〇年代後半にイギリスを初め欧州各国で猛威を振るった狂牛病が我が国でも発生したことが明らかになりました。狂牛病は人にも感染し、痴呆症などの症状が出る新型クロイツフェルト・ヤコブ病の原因とも言われております。我が国における狂牛病は、いまだ感染経路が特定されておらず、消費者や酪農家の不安は増大する一方であります。
先日、おくればせながら、肉骨粉の使用の一時停止を決断されたことは当然であります。しかし、なぜ狂牛病の牛が焼却処分されず肉骨粉にされたのか、事実関係とその責任を明確にすべきであります。それとともに、使用禁止に伴う製造・流通業者等の損失については、助成等の十分な救済措置を講ずるべきであると思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
また、風評被害の防止を図るため、狂牛病についての正しい知識や国産牛の安全性について、テレビ等を使い国民に早急に周知徹底すべきだと思いますが、御見解を求めます。
次に、特殊法人改革について伺います。
我々公明党は、これまで、むだゼロ行政の実現を目指し、行政改革の先頭に立って推進してまいりました。行政の効率化とサービス向上は、政治の立場にある者にとって最大かつ永遠の課題の一つと考えるからであります。しかし、反対勢力の動きもあり、行政改革がまさに正念場に差しかかっております。小泉総理におかれましては、国民の期待を追い風として、ひるむことなく改革を断行していただきたいことをまずお願いするものであります。改めて総理の御決意のほどをお伺いします。
また、KSD問題で大きな課題となり、さらには特殊法人等改革と問題意識を共通する形で、行政委託型等の公益法人のあり方が問われております。総理の言われる民間でできることは民間にゆだねることを本当の意味で実現するためには、とりわけ民間非営利のセクターに重要なプレーヤーとして機能を果たしてもらうことが不可欠であります。公益法人の運営適正化や行政委託型公益法人等の改革とあわせて、公益法人の制度そのものの抜本的な改革について総理の御見解をお伺いします。
あわせて、外務省不祥事についてお尋ねします。
報償費詐欺の松尾事件、デンバー総領事公邸の修繕費の水増し請求事件、ハイヤー代の不正請求事件、そして今度はホテル代水増しの詐欺事件と、ことしになってもとどまることを知らない外務省職員の犯罪に国民の怒りは頂点に達しています。過日、幹部職員の処分を発表されたことは多としますが、一連の事件を生んだ体質を打破する真剣さや誠実さが国民には伝わってきません。
外務省はいま一度、報償費のみならず外務省の予算全般について、事前の承認体制、執行ルールの体制、内部チェック体制等が機能していたのかどうか、徹底的な解明を行い、国民が納得するような外務省改革案を提示してもらいたいと思いますが、外務大臣の御見解をお聞きします。
また、少なくとも外務省元職員による詐欺金額が確認されているわけですから、今年度の外務省予算を減額し、国庫に返納すべきであります。今国会の補正予算提出時には減額補正の意思があるのかどうか、総理並びに外務大臣にお尋ねをいたします。
関連して、もう一点伺います。
厳しい経済情勢のもと、財政改革を断行するには、衆参ともに定数は削減してまいりましたが、しかし、その上に立って、国会議員の歳費を削減し、政治家自身が模範を示すべきではないでしょうか。平成九年に自民党が発表された財政改革案にも、歳費を減らすと明記されております。国会議員の歳費削減について、総理の御決断を承りたいと思います。
次に、医療制度改革について質問いたします。
日本経済が依然、低迷状態から抜け出せない中で、現在、医療費は年間一兆円程度のペースで伸び続けており、中でも国民医療費の約三分の一を占める老人医療費は毎年八%前後の伸びを示しています。こうした経済成長と医療費の増大のギャップによって、医療保険制度は各制度ともに大変厳しい状況にあり、このままでは国民の安心の基盤である医療保険制度が崩壊しかねません。
こうした医療制度をめぐる状況を踏まえるならば、来年に予定されている医療制度改革は、単に保険財政の観点からだけではなく、少子高齢化が進展する十年、二十年後を見据えた、長期的に安定運営が確保できる内容のものでなければならないと思います。このたびの医療制度改革について、総理はどのように考えておられるかお聞かせいただきたいと思います。
次に、介護保険制度の低所得者対策について伺います。
昨年春の介護保険スタートを前に、スタート時の混乱を極力抑えるため、与党三党の協議で高齢者保険料の徴収を取りやめることになりました。しかし、高齢者保険料の徴収はこの十月から本来の額の徴収が始まっております。低所得者対策は待ったなしであります。特に、実質的には生活保護と同等の生活水準にありながら、生活保護を受けないで頑張っておられる人たちに対する経済的な支援がぜひとも必要であります。
厚生労働省において既に検討に入っているようでありますが、本来徴収が始まった現在、一刻も早くその検討結果を明らかにすべきであります。国が考えている低所得者対策とはどういうものなのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
次に、教育問題についてお尋ねいたします。
教育の基本が人格と人格との触発にあることを考えれば、言うまでもなく、教員の使命は重大であります。しかしながら、昨今、教員によるあるまじき事件が続発するなど、教員のモラルの著しい低下が深刻になっています。
教員改革のために、開かれた学校を推進していく中で、教員を社会全体で支え、資質を向上するための施策を緊急に講ずる必要があります。
そのための施策として、まず第一に、教員免許の更新制の導入を含めた教員の教育業績の評価及び人事システムの再構築、第二に、教育系大学院の実践的教育の充実など、養成段階の抜本的な機能強化が必要であると思われます。そして第三に、孤立している教員のために、カウンセリングや相談体制の充実、また公開授業の促進や地域における教員間の交流など、教員がお互いに支え合い、触発し合えるような場の提供が重要であります。また第四に、さまざまな経験を持つ社会人や専門家など、教員以外の人を学校教育に活用することによって、学校現場に刺激を与え、活性化を図ることが重要であると考えます。
教員改革の問題を含め、教育改革に対する総理の御決意をお伺いしたいと思います。
最後に、文化芸術の振興策についてお伺いいたします。
今、我が国は、残虐な暴力事件の多発、学校現場の荒廃などに象徴されるように、社会の精神性の荒廃が著しい勢いで進んでいます。モラルや合理精神の欠如を指摘する声が多くありますが、私はむしろ、人間や自然のすばらしさなどに対する日本人の感性や想像力が甚だしく衰弱しつつあるように思えてなりません。
そこで、総理にお伺いいたしますが、芸術文化奨学金制度の創設、新進若手芸術家への発表の場の提供、学校での舞台芸術の鑑賞機会の提供、文化部活動への指導者派遣などについて現在どのような検討がなされているのかお示しいただきたいと思います。また、現在、政府において検討が進められている学校補助教員一万三千人の派遣には、地域の文化人や芸術家の派遣も含めるべきであると考えますが、文部科学大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
文化芸術は、人々の心を結びつけ、とりわけ美を感受する心の育成を通して、青少年の豊かな心をはぐくむ力があります。総理は所信表明演説の中で、「小泉構造改革五つの目標」の中に、「子供たちの夢と希望をはぐくむ社会」と示されております。新しい時代に挑戦する勇気を持って確かな改革の流れをリードされることを期待し、私の代表質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 白浜議員にお答えいたします。
まず、国際テロに対する戦略についてのお尋ねであります。
今回のアメリカで発生しましたテロに対しましては、これは米国のみならず、全世界に対する自由、平和、民主主義に対する攻撃である、そういう認識から、我が国もみずからの問題として主体的に取り組むべき課題であると思っております。
そういう観点から、今後、テロ組織の侵入を許さない出入国管理の徹底、テロ組織に関する情報収集の強化のほか、テロ組織の資金活動面を含めて取り締まりに関する法制度や装備、資機材の整備に努めて、我が国において国際テロの活動を許さない毅然たる対応が重要であると思っております。
さらには、御指摘のように、世界の国々や国際機関と一致団結して対応するとともに、テロを起こさせないような国際環境の形成を目的としてさまざまな外交努力等の適切な対応を行いまして、テロリズム根絶のためのあらゆる努力を尽くす必要があると考えます。
テロが発生する土壌ともなり得る貧困問題に対する我が国の取り組みについてのお尋ねがございました。
我が国は、国連等を通じまして、暴力やテロに反対する姿勢を明確にしてきております。経済協力等の手段を用いて貧困の削減に取り組んできており、今後とも引き続きこのような取り組みを継続していく考えであります。
新規立法に関し、東南アジア諸国に理解を得る努力についてのお尋ねがございました。
今回の法案は、テロリズム根絶のための国際的取り組みに積極的に寄与するため、我が国の主体的な取り組みについて定めようとするものであります。周辺諸国に懸念を抱かせる性質のものではなく、諸外国の理解を十分得られるものと私は考えておりますし、いずれにせよ、東南アジア諸国との友好協力関係の重要性を踏まえ、我が国の措置について適切に説明してきております。
テロ根絶に対する国際的な包囲網に向けて、我が国の方針についてのお尋ねがございました。
テロ根絶のためには、テロ包囲網の構築に向けての中長期的課題として、御指摘のような金融面の措置、テロ関連条約の締結を含む法制面の整備、入国管理体制の強化、航空保安の強化等、国際社会があらゆる手段を講じることが重要だと思っております。こうした国際社会の努力に我が国も積極的に参画していく考えであります。
米国等の軍事的対応に関するお尋ねがありました。
米国が今後いかなる軍事的行動をとるかということは今のところまだ明らかではございませんが、その上で申し上げるならば、国連安保理決議では今回の行為を国際の平和及び安全に対する脅威であると認め、自衛権が各国固有の権利であることについて改めて言及しております。これらの決議は、今般のテロ事件に対応して米国等が個別的または集団的自衛権を行使し得ることを確認したものと考えております。
今回のテロは、米国のみならず、人類全体に対する極めて卑劣な攻撃でありまして、このようなことが二度と繰り返されないような毅然とした対応を我が国としてもとる必要があると考えます。
自衛隊による人道的支援についてお尋ねがございました。
自衛隊による人道支援の活動について内容の検討を急いでおりますが、その際には、御指摘のような観点も十分に参考にさせていただきたいと思います。
現在の世界及び我が国の経済状況に対する認識と、その対応策についてのお尋ねがございました。
世界経済は米国IT関連産業の景況悪化を契機として成長が同時的に減速しております。そうした中、我が国の景気は四―六月期のGDP成長率がマイナスとなり、失業率が五%に達するなど厳しい状況にあります。さらに、先般の米国テロ事件の世界経済への影響が懸念されております。
こうした状況を思いますと、我が国としても、世界経済及び日本経済システムに混乱が生じないよう、米国を初めとする各国と協調し、状況の変化に応じた適切な対応を図る必要があると思います。
そういう中におきましても、我が国政府としては、改革なくして成長なし、この基本方針を堅持して構造改革に邁進していきたい、そしていろいろな必要な措置をできるだけ早く実施すべく、補正予算を活用しつつ今後も取り組んでいきたいと思います。
補正予算におけるセーフティーネット整備についてのお尋ねです。
補正予算においては、従来型の公共事業の追加を厳に排し、歳入歳出の洗い直し作業を踏まえた上で、特に、雇用、中小企業に係るセーフティーネットの充実策、構造改革に直結し、かつその実施の緊急性が特に高い施策を重点的に盛り込むこととしております。
平成十四年度予算も含めた今後の経済・財政構造改革の推進についてのお尋ねであります。
先ほども申し上げましたように、厳しい状況でありますが、いかに厳しくとも構造改革の手を緩めるわけにはまいりません。今般、経済財政諮問会議におきまして改革工程表を取りまとめ、今後の構造改革の具体的な政策と実施時期を示しましたが、その進捗状況を継続的に評価、点検します。また、先行して決定、実施すべき施策については、補正予算で措置する事項も含めて改革先行プログラムとして十月中に取りまとめ、構造改革を加速することとしております。
このような経済、財政の構造改革の中の一つとして財政構造改革を進めておりまして、平成十四年度予算については、国債発行三十兆円以下という目標のもとに、まず新たな歳出を見直す、五兆円を削減する、そして重点分野に二兆円を再配分するという方針で、歳出の思い切った見直しを行う一方、必要な施策については重点的な配分をしていきたいと思います。
狂牛病の牛の処分に係る事実関係及び肉骨粉の使用禁止に伴う製造・流通業者等の救済措置についてお尋ねがございました。
今回の千葉県の事例では、食肉衛生検査所は狂牛病を疑わず敗血症と診断し、食肉として用いられないよう全部廃棄命令を行いましたが、千葉県においては、このような牛についても千葉県の狂牛病サーベイランスの対象としており、家畜保健衛生所が検体を採取し、後日検査した結果、狂牛病の疑いがあるとされたものであります。
しかしながら、家畜保健衛生所等の検査結果が明らかになった時点では既にこの牛が焼却処分ではなく肉骨粉という形で廃棄されており、家畜保健衛生所と食肉衛生検査所との間の意思疎通が十分でなかったことも対応のおくれの原因となったものと考えております。
また、肉骨粉等に関しては、十月四日から輸入と国内の製造、出荷を一時全面停止することにより完全に感染経路を遮断することとし、これに伴い発生する取引が困難となった肉骨粉等については、その焼却処理に対して緊急的に支援措置を講ずることとしております。
狂牛病の風評被害防止のための対策についてお尋ねがございました。
御指摘のとおり、国民の不安を解消するため、牛肉や牛乳、乳製品はもともと安全であること、また狂牛病が疑われる牛の肉等が食用にも飼料用にも出回ることのないシステムを確立したことをわかりやすく説明することが重要と考えております。このため、テレビを初めあらゆる媒体を通じて迅速かつ正確な情報を提供し、政府として風評の鎮静化に全力を尽くしてまいります。
特殊法人改革についてのお尋ねでございます。
今般の特殊法人等改革は、肥大化し硬直化した政府組織を改革し、簡素、効率的、透明な政府を実現する行政の構造改革の一環であり、現在、ゼロベースからの徹底した見直しを行っているところであります。年内には全法人の事業及び組織形態の見直し内容を定める特殊法人等整理合理化計画を策定するとともに、平成十四年度予算から財政支出の大胆な削減を目指すこととしておりまして、引き続き行政の構造改革を断行してまいります。
公益法人制度の抜本的改革についてのお尋ねがございました。
公益法人のあり方への批判やNPO法、中間法人法の制定を踏まえ、民法制定以来百年以上にわたり基本的に変更されていない公益法人制度の改革に向けた検討が求められていると思います。このため、行政委託型公益法人の改革にとどまらず、法人の適正な運営のあり方を含め、公益法人全般を通じた制度の抜本的改革の基本的方向を年度内にも示すべく、石原行革担当大臣のもとで検討を進めさせております。
外務省元職員による詐欺事件を受けた外務省予算の減額補正についてお尋ねがございました。
外務省元職員による詐欺事件によって国がこうむった損害については、当該詐欺行為を行った者に賠償させ、国庫に納付する必要があると考えております。外務省においては、損害賠償請求のために必要な手続に取り組むとともに、一連の不祥事の反省を踏まえ、鋭意適正な予算執行に取り組んでいると承知しております。
国会議員の歳費削減についてお尋ねがございました。
財政改革の断行に当たっては、国会議員自身も何ができるか聖域なく検討すべきであることは言うまでもございません。御指摘の歳費削減については、自民党の方針として既に一〇%削減を掲げておりますが、こうした問題も含めて、国会議員みずからが真剣に検討し、早急に取り組んでいくものと考えております。
医療制度についてのお尋ねでございますが、現在、これからの高齢化・少子社会を考えますと、給付は厚く負担は軽くというわけにはいかない状況であり、お互いどのように老いも若きも支え合っていくような医療制度が必要かということを鋭意検討しております。
持続可能で安定的、効率的な医療制度へといかに再構築することが必要かということが重要でありますので、こうした観点に立って厚生労働省の改革試案を踏まえて議論を尽くし、年末までに政府としての成案を得た上で、次期通常国会に所要の法律案を提出すべく全力を尽くしてまいります。
教育改革に対する決意についてのお尋ねでございますが、教育の成否は学校の教員によるところが多く、その資質、能力の向上が極めて重要であります。
このため、教員の養成、採用、研修の各段階を通じて、使命感や実践的指導力を持つ人材の確保に努めていきたいと思います。いわゆる問題教員が教壇に立つことのないように、厳正な人事管理制度の確立にも努めてまいります。
教育全般にさまざまな問題が生じております今日、日本人としての誇りと自覚を持ち、新たな国づくりを担う人材を育てるためにも、教員の問題、特に教育改革は大変重要なものと認識しておりまして、日本としても、資源のない日本が今日まで発展してきた最も大きな原動力の一つに教育があったことを銘記しつつ、これからも教育改革に懸命に取り組んでいきたいと思います。
芸術文化の振興についてのお尋ねがございました。
まさに文化芸術は、人間に潤いをもたらし、日々の感動や生きる喜びをもたらし、これからの人生を考える上においても大変大事なものだと私も認識しております。これからも文化国家日本を目指すためにいかなる方策があるか、ともに考えていかなきゃならない問題でありますが、来年度の予算編成にもそうした考えをできるだけ盛り込むべく、現在、鋭意検討を進めております。
オペラ、バレエ、映画等のトップレベルの芸術活動の支援、世界に羽ばたく新進芸術家の養成、子供の文化芸術体験活動を総合的に推進する文化芸術創造プランの策定を現在検討しているところでございます。
御指摘の新進芸術家の発表の機会の提供、子供が舞台芸術に触れる機会の充実、学校の文化活動への指導者派遣などはこの中で取り組むべき課題であるとも私は認識しております。
残余の質問については、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣田中眞紀子君登壇、拍手〕
○国務大臣(田中眞紀子君) 外務省予算についてのお尋ねでございますけれども、数多くの逮捕者及び処分者を出しました一連の不祥事の反省を踏まえまして、納税者たる国民の皆様の信頼を一刻も早く取り戻し、そしてまた、外務省職員が誇りを持って意欲的に働けるような外務省を再構築するために、私どもも最善の努力をいたしております。そして、そのためにはあらゆるシステムの見直し、改革でございますが、及び省員一人一人の意識改革というものを図るために、現在、鋭意努力をいたしております。
そして、白浜議員御指摘の諸点を含めまして、外務省の会計手続に関しても点検をいたしております。具体的には、調達制度の一元化でございますとか、それから省内の監察制度を早期に立ち上げております。それから、公認会計士でありますとか弁護士さんなど外部からの参加を得まして、在外公館の査察を九月の末から始めております。そしてまた、今般の会計検査院から大変厳しい指摘がございましたので、それを受けまして、報償費につきましても適正な執行をするために改善の措置をいろいろ講じておるところでございます。
次に、二つ目の御指摘でございますけれども、外務省の予算を減額して、そして国庫へ返納してはいかがかということでございます。
これにつきましては、いろいろございますけれども、まず適正な予算の執行ということを私たちは考えなきゃいけません。一連の不祥事が、あれだけのことがございました。したがいまして、補正予算の編成に当たりましても、真に必要な案件というもの、何が本当に外務省にとって、国家にとって必要であるか、世界に貢献するために必要であるかという観点からしっかりと精査をいたしまして、それらを請求させていただくことにいたしております。
そして、外務省職員による詐欺事件との問題とはこれは別個でございまして、この詐欺事件によって国がこうむった損害につきましては、外務省予算からではなくて、その詐欺行為を行った者から賠償を受けるという必要があるというふうに考えております。
以上です。(拍手)
〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
○国務大臣(坂口力君) 白浜議員の御質問にお答えをしたいと存じます。
介護保険制度の低所得者対策についてのお尋ねでございました。
介護保険制度につきましては保険料や利用料が低所得の方に大きな負担にならないように、高齢者の保険料につきましては所得段階別に原則として五段階に設定をするほか、利用料につきましては月々の負担上限額などを二段階にわたって一般の方々よりも低く設定したり、社会福祉法人における利用者負担の軽減措置を講じるなど、既にきめ細かなことをやっているところでございますが、御指摘のように、今月からの介護保険料の本来額徴収の開始を前にいたしまして、全国の都道府県、市町村に対しまして、保険料の所得段階を六段階に設定しております例や、あるいはまた介護保険制度の趣旨を踏まえた保険料の軽減措置の例などを各市町村にもお示しをいたしまして、地域の実情に応じた配慮を行えるように市町村の主体性を尊重したところでございます。参議院の予算委員会でございましたか、白浜議員から御指摘をいただきました点も踏まえまして、こうした措置に至った次第でございます。
しかし、地方だけにゆだねることはできないというふうに思いますので、今後も見直しを続けまして、低所得の方々へのきめ細かな配慮に努め、社会保障がセーフティーネットとして十分に機能していくように努めたいと考えております。
このほか、低所得の高齢者世帯の生活支援を行う観点から、生活福祉資金貸付制度の充実強化等につきましても十四年度概算要求に盛り込んだところでございます。リバースモーゲージの考え方等も取り入れながら、こうしたものも取り入れていきたいと考えているところでございます。(拍手)
〔国務大臣遠山敦子君登壇、拍手〕
○国務大臣(遠山敦子君) 白浜議員の御質問にお答え申し上げます。
学校補助教員派遣についてのお尋ねでございますが、文部科学省では、これから三年間に五万人を目標としまして全国の公立学校に社会人を補助教員として導入いたしまして、学校教育の一層の活性化と子供一人一人に目配りのきいた教育を実現するための学校いきいきプランを推進することといたしております。
この補助教員の導入に当たりましては、地域社会においてさまざまな分野で力を持つすぐれた人材を活用することといたしておりますが、その中には文化、芸術の分野で活動しておられる人材も含まれるわけでございます。
学校いきいきプランの推進に当たりましては、こうした地域社会の人材の積極的な導入を図られますよう、各教育委員会を促してまいりたいと考えております。
以上でございます。(拍手)
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